グローバルナビゲーション
ここから本文です

「国内産小麦粉ではパンはできない」
二十数年前、私が国内産小麦に取り組み始めた頃に言われた言葉です。わたしたちが国産小麦でのパンづくりに取り組んでから早いもので20年以上になります。
つくり始めた当時は、「うどん粉でパンをつくれるのか」などと言われ、「国産小麦粉でパンをつくるのは、剣道着を着てテニスをするようなものだ」とさえ言われたものです。ましてやあまり知られていない「ホシノ酵母」でつくるなど正気の沙汰ではないと・・・。
外国産の小麦が優れているのは分ります。製パン性がよい、やわらかくふくらむ、食感がいい。
ですが粉自体の旨みや甘み、香りのよさでは国産小麦に軍配が上がります。
いま時代の流れは国産小麦になっています。
数少ないパンに向いた小麦も品質が安定しよい粉ができるようになりました。
さらに喜ぶべきことは、最近、各地でパン用粉に特化した小麦の品種改良が進み、製パン性を考慮した小麦が生まれていることです。
私たちつくり手にとっては、粉の選択肢が広がり、今まで以上においしくて安全なパンをつくることができます。
国産小麦は粉の性質を生かし、きちんとつくりさえすれば、間違いなくおいしいパンができます。
ピッコリーノが使用しているのは「ナンブ小麦」です。
ナンブ小麦は、国産小麦の中では比較的グルテン質を多く含むことや、栽培に農薬を使う必要が少ないこと、それになにより味がバツグンによいことから選らび、今日まで使い続けているのです。
ナンブ小麦でパンをつくるときの一番の問題は、グルテン量の少なさでした。
ナンブ小麦を実際に使ってみると、グルテンが少ないため吸水が少なく、つくりにくい性質と感じたり、今までの常識が通用しないもどかしさがありました。
外国産小麦のグルテン量は、11.5%~14%ですが、これに対してナンブ小麦は10~11%程度。たった1%の違いと思うかもしれませんが、捏ねるためにはたんぱく質の量に換算すると500g以上の違いが出てくる理屈です。
吸水が違えば個ね時間や発酵温度、発酵時間も違ってきます。参考書もレシピも全くない状態から、手探りでつくらなかればなりませんでした。
ですが、ナンブ小麦でつくったパンの味は格別でした。うまくできたときは、グルテンの少なさをデンプン質で補っているかのようなおいしいパンになってくれます。
粉自体の旨みが強く、味の良さは多くの国産小麦の中でも特筆に値します。
ホシノ酵母との相性もすばらしく、つくられたパンは翌日になってもとくに硬くなりません。自然の硬さとでもいうのでしょうか、離乳食のお子さんでもしゃぶっているうちに自然に消化されてしまうほど口どけのよいのが特徴です。よくモチモチした食感といわれることがありますが、火通りの悪いつくり方をしない限りそれほどでは、ありません。むしろ、適当な引きとサク味と上品な甘み。ちょうどご飯を口に入れたときのなじみ加減、安心できるおいしさのバランスがナンブ小麦とホシノ酵母でつくるパンです。
ローカルナビゲーション
バナー